Tim Lerch『The Melodic Jazz Guitar Chord Dictionary』
本・教則本・参考書
Tim Lerch / The Melodic Jazz Guitar Chord Dictionary: A New Approach to Organizing Chord Voicings for the Modern Jazz Guitarist
ジャズギタリストTim Lerch氏のジャズ本の紹介です。
Tim Lerch氏(正確には Timothy Lerch だそうです)はアメリカのジャズギタリストで、YouTubeでも人気がある方です。
私が初めてTim Lerch氏の動画を観たのは10年近く前(2013年ごろ)で、その当時に自分が欲しかったエフェクターのサウンドサンプルを探していたらYouTubeで出てきた、という記憶です。
はじめて彼の演奏を観て『この人めっちゃうまいな!』とビビりました。
Tim Lerch氏はよくソロギター(コードメロディー)動画をYouTubeにアップされているのですが、そのソロギターを演奏するのに役立つ本を出版したと知り、さっそく買ってみました。
タイトルは『The Melodic Jazz Guitar Chord Dictionary: A New Approach to Organizing Chord Voicings for the Modern Jazz Guitarist』です。
長い!
【公式より概要文】
現代のジャズギタリストに贈る、まったく新しいコードカタログの方向性!
コード・ボイシングとメロディ・ノートの両方を収録したコード辞典。
2,000以上のユニークなコード・ヴォイシングを、メロディ・ノートとコード・タイプ別に、機能的なメロディで整理したコード辞典です。本書は、従来のコード辞典のような使い方だけでなく、メロディアスで美しいジャズ・ソロ・ギター・アレンジを作成するための素材としても活用できます。
メロディにナチュラルナインが含まれるマイナー7b5や、シャープファイブが含まれるオルタードドドミナントなどのコードも収録しています。
お気に入りのスタンダードを流れるようなコード・メロディにアレンジしたり、あなたのコンピングに新しいメロディを追加することができます。このコード辞典はトップダウンで作られているので、メロディーをコントロールし、それをサポートする色や拡張を幅広く選択することができます。
Melodic Jazz Guitar Chord Dictionaryで、これまでにないボイス・リードを実現し、コードと指板に関する機能的な知識をすぐに身につけることができるでしょう。
コードの動きを見る
本書はコード事典であると同時に、5つのソロ・ジャズ・ギター・アレンジメントを収録しています。本書のヴォイシングがどのように組み合わされ、見事なジャズ・ギター演奏になるのか、実際に見てみましょう。各曲には演奏とブレイクダウンのビデオが付属しています。
Darn That Dream
Just Friends
Tangerine
Lover man
Jazz Blues
4時間以上のボーナス・ビデオ・マスタークラス!
演奏ビデオとブレイクダウンに加え、ティムが本の使い方やあらゆるソロ・ジャズ・ギターの知恵を紹介するボーナス・ビデオ・マスタークラスが特別に用意されています。
本の内容について
内容はタイトル『The Melodic Jazz Guitar Chord Dictionary』の文字通り『ジャズギターで使えるコード辞典』です。
全125ページ。
ソロギターでのハーモナイズ例(コードサンプル)がひたすら載っています。
かなり膨大な量のコードが掲載されているので、届いてから初めて見た時には驚きました。
・コード別、トップノートごとのコードボイシング(これが膨大)
・曲ごとの演奏サンプル(タブ譜あり)
・その他4度堆積コード例
など
コード別、トップノートごとのコードボイシングがとにかく膨大です。
(本の紹介文によると全部で2000以上のコードサンプルが載っているらしい)
『◯maj7 - 2nd / 9thをトップノート - 1弦をトップノートにした場合』
みたいな感じで、
・コード別
・トップノートごとに
・何弦をトップノートにするか
という細かいパターン別のコードボイシングサンプルが掲載されています。
これは素晴らしい、、。
実際にソロギターを弾く場合に、めちゃくちゃ参考になります。
メロディーをハーモナイズして弾く、つまりボイスリーディングの参考にしやすい内容です。
ハーモナイズ(ボイシング)は頭で考えながらでも可能ですが、メロディーごとのハーモナイズをひとつひとつ考えて弾くとかなり大変です。
いろいろとバリエーションを考えながらやったとしても自分の知らない(or 見つけていない)ボイシングもたくさんあったりするので、一覧で多様なコードが見られるのはありがたいですね。
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文化の違い? 海外のコード表が見づらい件
ちょっとだけ気になったのは、海外のコード表がタテの表記(?)なこと。
※弦がタテに6本並んでいて横にフレット数が表記されるスタイル
日本のコード表はヨコ表示で掲載するのが一般的だと思うんですが、海外の場合はタテなんですよね。
頭の中での変換作業が必要なので、慣れが必要かもしれません。
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というわけで、Tim Lerch氏のジャズ参考書『The Melodic Jazz Guitar Chord Dictionary』のご紹介でした。
ジャズギターを弾くとなるとメロディーのハーモナイズは避けて通れませんが、その点ではかなり助けになる本です。
個人的にはコードのボキャブラリーを増やしたいなと思っていて、『いろんなボイシングのコードがたくさん載っている本はないか?』と考えていたところだったので、まさに欲しかった本が出てきたという印象です。
ジャズに取り組むギタリスト「ソロギターを弾きたいけどボイシングのボキャブラリーが少ないし、ハーモナイズも大変なんだよな…。」
TIm Lerch『コードがいっぱい載った本を作ったで。』
↑みたいな、弾く人の気持ちをピンポイントで押さえた本でオススメです。
The Melodic Jazz Guitar Chord Dictionary: A New Approach to Organizing Chord Voicings for the Modern Jazz Guitarist
ASIN : B09ZFLNVQC
出版社 : Independently published (2022/5/4)
発売日 : 2022/5/4
言語 : 英語
ペーパーバック : 125ページ
ISBN-13 : 979-8438171720
寸法 : 21.59 x 0.74 x 27.94 cm