楽器・機材


ジャズ用ギターアンプ3種・サウンド比較(Henrisen Jazz Amp TEN・Fender PRINCETON REVERB・DV MARK JAZZ 12)

今年(2021年)のはじめにHenriksenのアンプ(Jazz Amp TEN)を購入し、使用頻度の低いアンプを処分した肉じゃぎ管理人です。

以前にギターアンプのサウンド比較をしたのですが、現在メインで使っている3つのアンプを比較してみようと思い、かんたんな比較動画を録ってみました。

比較したアンプは以下の3つです。

  • Fender '68 CUSTOM PRINCETON REVERB
  • Henriksen Jazz Amp TEN
  • DV MARK JAZZ 12

いずれもお気に入りのアンプで、シチュエーションや気分に応じて使い分けています。

以下より比較動画をご覧ください。




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補足解説

【使用ギター】
Gibson ES-175 (1958)

【Music】
Nick Hempton "The Cove Crawl"

(参考)アンプの各重量
Fender '68 CUSTOM PRINCETON REVERB:15.7kg
Henriksen Jazz Amp TEN:10.4kg
DV MARK JAZZ 12:8.6kg

Fender '68 CUSTOM PRINCETON REVERB

プリンストンリバーブはジャズ専用ではありませんが、ジャズにもよく使われるので比較に加えました。
以前から何度か記事に書いたりもしているのですが、個人的には大好きなアンプでよく使っています。

プリンストンリバーブのメリット

  • 鈴鳴りのクリーントーン
  • ギターの音がフィルターなしで出力されるようなアコースティック感
  • マイルドでクリーミー(?)な飽和感
  • 軽いナチュラルドライブサウンドが生み出すブルージーさとダーティーさ
  • 王道ジャズギターサウンド

プリンストンリバーブは今回の比較のなかで唯一のチューブアンプです。
チューブアンプ特有のナチュラルな飽和感(ドライブサウンド)が魅力で、泥臭いというか、ケニーバレルやバーニーケッセル、グラントグリーンなど、いわゆる王道ジャズギタースタイルなサウンド。

他のアンプもクリーントーンはきれいですが、プリンストンリバーブの『鈴鳴り』のキラキラしたクリーントーンは他ではなかなか出せない印象です。
これを超えるクリーンサウンドを求めるとなるとアンプの値段がひと回り以上上がらないと厳しいと思われます。

DV MarkやHenriksen はフィルターが入ったようなクリーントーンになりますが(それが魅力でもある)、プリンストンリバーブの場合は本当にピュアなクリーンサウンドでアコースティック感も強いです。

プリンストンリバーブだと15Wと出力が低いので「音量を稼げない」&「すぐに音が歪む」という弱点があり、デラックスリバーブやVibroluxなどの大型アンプを使用するケースも多々あります。

個人的には1番のお気に入りアンプだったのですが、Henriksenのアンプを購入後、使用頻度が減ってしまいました。

個人的に感じるプリンストンリバーブの弱点は以下です。
・重量が重い
・音量を大きくすると歪みすぎる
・EQがトレブルとベースしかないのでサウンド調整をしようと思うと自由度が低い
・10インチスピーカーなのに低音が強め


アンプの重さとチューブアンプ特有のデリケートさで外へ持ち運ぶ機会は低く、もっぱら自宅用で使用してます。

弱点はありつつもクリーントーンはとにかく絶品で、世界中のギタリストから評価が高いのも納得なアンプです。


Fender フェンダー ギターアンプ 68 CUSTOM PRINCETON REVERB 100V JP

12ワット。10インチCelestion Ten 30スピーカー。60年代後半Fender「シルバーフェイス」のルックス。改良型Princetonリバーブ・オールチューブ・サーキット。
手巻きチューブ・ソケット。カスタムメイドSchumacherトランスフォーマー。Fenderチューブ型スプリング・リバーブとトレモロ。



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Henrisen Jazz Amp TEN

Henriksenはサウンドの良さに定評があるメーカーでジャズギター用のアンプをたくさんリリースしており、近年ユーザーが増えているようです。
Jim Hallが使っていたアンプとしても知られています。

Henriksen Jazz Amp TEN は一言で言うと『スキのないジャズギターアンプ』
個人的には一番使用頻度の高いアンプで、自宅でもライブやセッションでも使っています。

『スキがない』と感じる Henriksen Jazz Amp TENのメリットは以下の通りです。

Henriksen Jazz Amp TENのメリット

  • ジャズに適したウォームなクリーントーンでアンサンブルでも埋もれない
  • ボリュームを上げても割れたりせずにクリーン
  • 5バンドEQとツイーターオン/オフでサウンド調整の幅が広い
  • エフェクトループあり
  • マイク接続可
  • 外部スピーカーOUTあり(これはプリンストン、DV MARKもあり)
  • 重すぎず、サイズも小柄で持ち運びがあまり苦にならない

購入したあと
「このアンプめちゃくちゃ良いわ…‥もう一個欲しい…‥」
と思ってしまいました。

しかし購入後はテンションが上がっているので、冷静な判断ができていないかも…、としばらく様子を見ることに。

そして購入して半年以上たった今、このアンプに思うこと。
「やっぱ最高だわ…‥もう一個欲しい…‥」

サウンド面や機能面においては、とにかく弱点が見当たりません。
音質はジャズギターにチューニングされた中域の豊かなやわらかいサウンド
内部に高品質なオーディオパーツを使用しているらしく、音質はピュアでクリアーです。

5バンドEQが素晴らしく(個人的にはここが一番のお気に入り)、音質を細かく調整できるのは便利です。
低域と高域の細かい調整ができることで「低音のブーミーさ、にごり」や「高域のきらびやかさ、抜け感(空気感)」がコントロールできます。
EQの効き自体も良いこともあり、サウンドキャラクターをガッツリ変えられるわけです。

DV MARKの方はEQの効きがイマイチだったりサウンドにクセがありますが、Henriksenの方はクセがなくてピュア、そして設定の自由度の高いサウンド、という感じです。

(私はいずれも普段使っていませんが)外部スピーカーアウトやAUX IN、マイク接続可、エフェクトループなどの機能性も十分。

重量がほどほどで小柄なサイズ、というのもナイスです。
DV MARK Jazz 12よりやや重い程度なので、持ち運びはそれほど苦になりません。

前面の光るロゴもなんだか嬉しいポイント。
オンとオフがわかりやすいし、単純にかっこいい…。

Henriksenからはいくつかジャズアンプが販売されていますが、いずれも、本気でジャズギタリスト全員にオススメしたいアンプです。

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Henriksenのフラグシップアンプ・The Bud SIX
Henriksenといえば The Bud SIX(6インチスピーカーのアンプ)がフラグシップの商品で、もっとも流通量が多いようです。
※The Blu SIXというアンプもありますが仕様が違います。
・The Bud SIX →6インチ・2チャンネル・2インプット
・The Blu SIX →6インチ・1チャンネル・1インプット

販売店に確認したところ、10インチスピーカーのJazz Amp TENは現在は製造していないらしく(もともと日本独自の仕様になっているとか…)、10インチスピーカーのアンプはThe Bud TEN(2チャンネル・2インプット・10インチスピーカー) or The Blu TEN(1チャンネル・1インプット・10インチスピーカー) というラインナップになっているそうです。
※詳細は公式サイトをご確認ください。

ちなみに、6インチスピーカーのアンプ(The Bud SIX)と10インチスピーカーのアンプ(Jazz Amp TEN)を比べて、10インチの方が音域が広い印象でした(というか確実に広いです)。
※持ち運びは圧倒的に6インチスピーカーの方が軽くて楽。


Henriksen Amplifiers Jazz Amp TEN

FEATURES
・5バンドEQ
・リバーブ
・48Vファンタム電源供給可能
・センドリターン端子搭載
・ツイーターON/OFFスイッチ
・外部スピーカー接続端子


Henriksen Amplifiers ヘンリクセン The Bud エレアコアンプ ジャズアンプ

6インチスピーカー、2チャンネル仕様

Henriksen Amplifiersの創設者であるBud Henriksen氏は2005年、高品質なポータブルアンプを望むジャズプレイヤーのために最初の製品 “Jazz Amp” を完成させました。その後ジャズギターの枠を超えアコースティックプレイヤーやシンガーソングライターのためのアンプの開発に取り掛かり、小サイズながらもあらゆるギグをカバーするのに十分な音量と極上のトーンをもつアンプ、The Budが誕生しました。



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DV MARK JAZZ 12

DV MARKのジャズシリーズ(Little Jazz / Jazz 12)はジャズギタリストの間では大人気のイタリア製アンプで、ジャムセッションやライブでよく見かけます。

DV MARK JAZZ 12 のメリット

  • ジャズギターにチューニングされた中域の豊かなサウンド
  • どんなギターもジャズ向きのサウンドになる
  • 驚異的な軽さ
  • シンプルで無駄がない操作系統
  • 爆音

DV MARKの強みは安定したジャズ向けのサウンド重量の軽さ
(DV MARKについては過去の記事でも詳しく書いていますので併せてご覧ください)

ジャズ用にチューニングされた中域の豊かなサウンドで、アンサンブルでも抜けが良いです。
内蔵のデジタルリバーブもキレイな音質です。

長く使ってみて、ジャズ用チューニングが強めなところがメリットでありデメリットでもあるように感じています。
メリットはサウンドがジャズ用に安定する点と、どんなギターでもジャズで使えるサウンドになる点。
デメリットはサウンドの自由度がやや低めになる点とギターごとの個性が弱まってしまう点。

DV MARKのアンプ(Little Jazz / Jazz 12)を使っていて、どうもサウンドの“クセ”があるように感じていましたが、チューニングが強めなところがその理由のようです。

テレキャスやストラトなどのソリッドギターを繋いでもジャズで使えるサウンドになるのは便利なのですが、その反面、どんなギターでも似たようなサウンドになってしまうのはやや物足りなくもあります。

サウンド以外では重量の軽さが大きな魅力で、Jazz 12 とBlues Jrなど同型サイズのチューブアンプを比較するとかなり軽く感じます。
運搬時に負担が少ないのはかなり助かりますね。

サウンドの良さと安定性、重量の軽さ(持ち運びの便利さ)が魅力の万能アンプです。

手頃で使い勝手が良いジャズ用アンプで迷っている方にはDV MARKのアンプ(Little Jazz or Jazz 12)をオススメします。


DV MARK コンボアンプ JAZZ 12 DVM-J12

Power:60W (4Ω)/45W (8Ω) PowerAMP:Analog
Preamp:Solid State
Controls:Master/3-Band EQ(Bass / Mid / High)/Reverb
Speaker:1×12" DV Mark Custom (8Ω)
その他:AUX IN/Headphone Out/XLR Line Out/Speaker ON/OFF/Output for External cab (minimum load 8Ω)


DV MARK ギター コンボアンプ LITTLE JAZZ DVM-LJ

Power:60W(4Ω)/45W(8Ω) PowerAMP:Analog
Preamp:Solid State
Controls:Master/3-Band EQ(Bass / Mid / High)/Reverb
Speaker:1×8" DV Mark Custom (8Ω)
その他:AUX IN/Headphone Out/XLR Line Out/Speaker ON/OFF/Output for External cab (minimum load 8Ω)



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過去のアンプ比較記事はこちら



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