インタビュー - ジャズマンに訊く

INTERVIEW

「Treasures」新作アルバムリリース・佐津間純さんインタビュー

ジャズギタリスト佐津間純さんの新作アルバム「Treasures」が T5Jazz Records よりリリースされました(2026/11/26発売)。
新譜のリリースに合わせて、当サイト管理人より佐津間さんにインタビューをさせていただきました。
佐津間さんにインタビューをするのは今回で2回目となります。
新作アルバムに関するエピソードをいろいろとお聞きしたので、ぜひご覧ください。
※下の方に演奏動画もあります。



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「TREASURES」アルバムジャケット

【新譜情報(レーベル公式情報より)】
ギタリスト佐津間純が放つニューアルバム「TREASURES」。

13歳よりギターを始め、洗足学園音楽大学に進学、バークリー音楽大学に留学。ギブソン・ジャズ・ギター・コンテストで入賞するなど、着実に実力と実績を重ね合わせ、キャリアを積み重ねてきたギタリスト佐津間純。
敬愛するケニー・バレルも愛した名器、Gibson Super 400を手に奏でるのは珠玉のスタンダードと、それらにひけをとらない輝きを放つオリジナル曲の数々。

熱情のクインテットから静寂のソロまで、ジャズ・ギターのすべてが詰まった、まさに宝物と呼ぶにふさわしい一枚。

Song List
1. Here Comes C.T.
2. Treasure
3. Misty
4. Admiration
5. The Quick Response
6. I'l Be Around
7. Quiet Blue
8. Wes’ Tune
9. Painted From Memory

Personnel
佐津間 純 - electric guitar
岡田 嘉満 - tenor saxophone
富永 真紀 – piano
山口 裕之 – bass
宮岡 慶太 - drums

2025年録音

発売日: 2025年11月26日

【CD】(最高音質UHQCD仕様)
品 番:T5J-1026
価 格:3,000円(税抜)/3,300円(税込)



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今回のアルバム制作に取りかかったきっかけは何ですか?

今回のアルバムは、 T5Jazz Records というレーベルからリリースするのですが、そこの代表で今回のプロデューサーである清水正さんから「リーダー作を作ってみませんか?」という連絡をいただいたのが始まりです。

2013年にサックスプレーヤーの菅野浩さんの紹介でT5Jazz Recordsのクリスマスアルバム(オムニバスアルバム)(※)に菅野さんとデュオで2曲参加しました。

【※】T5Jazz Records presents: Jazzy Christmas / Peaceful
https://www.t5jazz.com/p/t5j-1001.html

その後には T5Jazz Records でリリースした菅野浩さんのアルバムやコロナ禍にやった高田みち子さん(シンガーソングライター)のライブ配信にも参加しました。

これまではサイドマンとしてそのレーベルの作品に関わってきたんです。

それで今年に入ってからリーダー作をリリースする話をいただいて、そこからアルバムの制作が始まった感じです。

アルバムに収録する曲はどのように決めましたか? アルバムのコンセプトなどもあれば教えてください。

前回のリーダー作「Jump For Joy」のリリースから12年経っているんですが、その間に書き溜めていたオリジナル曲を自分のレギュラーバンドでは普段のライブで演奏してたんです。
今回、どういう選曲がいいのか?って考えた時に、それらの書き溜めていた曲を中心に構成していくようなイメージで選曲していきました。
メンバーも普段から一緒に演奏していて気心が知れている仲間にお願いしました。

コンセプトとしては「多面的にジャズギターの魅力を聴かせるアルバム」です。

今回のアルバムの編成は最大でクインテット(5人)で最小ではソロ(1人)というように、さまざまな編成でジャズギターの魅力を聴かせられるような工夫を凝らしています。

クインテットでテナーサックスとギターのアンサンブルを聴かせたり。ピアノトリオとギターのカルテットでフロントはギターのみでバリバリソロを聴かせるような場面があったり。ギタートリオ(ギター、ベース、ドラム)では、ピアノなしでギターのコードがじっくり聴かせる場面があったり。ピアノとギターのデュオで静かなサウンドがあったり。ソロギターではギター1本で美しい世界を表現したりと…。ギターを軸に様々なジャズギターのサウンドを聴かせられたらというのがコンセプトです。

あとは「キャッチーであること」ですね。
キャッチーで聴きやすい作品という部分はすごく重視しました。

それと、ハードバップとかビバップの流れを組んでいるサウンド。

以前のインタビューでハンク・モブレーのアルバムをオススメの音源に挙げていましたね。「Soul Station」などジャズファンからも評価の高いハードバップの名盤だったと記憶しています。

いわゆるハードバップのバンドってギターがいないことが多いですよね?

ああいうサウンドにギターがいたらいいな、っていうところが全ての出発点ですね。

「ハードバップサウンドの中心にギターがいる」っていうのも今回のアルバムのコンセプトでした。


リハーサル風景(佐津間さんの公式サイトより)



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今作の収録曲の中で、特に思い入れのある曲はありますか?

どれも思い入れがありますね。

特にと言うと、どれだろう…?


オリジナル曲はやっぱりどれも思い入れありますね。

リード曲の「Treasure」(2曲目)はジャズを通して出会えた全ての人への感謝の気持ちを込めて作った曲です。特にいつも私の目指すサウンドを献身的にサポートしてくれるバンドのメンバーには感謝です。

そして「Admiration」は私の師匠であり日本を代表するジャズギタリスト岡安芳明氏のことを思い描いて作った曲です。ジャズギターのかっこよさ、楽しさ、美しさ、奥深さ、優しさ、そして厳しさ…
全て岡安さんから教わりました。いつも私の憧れです。

オリジナル曲は鼻歌で歌えるような曲を作ることが多いです。ジャズの曲(特にジャズマンが作曲した曲)って気軽に口ずさめない複雑な曲も多いですよね?
誰もが気軽に口ずさめる親しみやすさという点はとても大切にしていることです。「Treasure」なんて、出だしのフレーズが『ソドミソドミ〜』なんですよ。

自分が影響を受けた音楽の要素をこっそりと散りばめているっていうのもよくやります。
例えば「Misty」(3曲目)のイントロなんてかなり露骨なんですが…(笑)。
「おっ!?」と思った方はかなりのジャズギター愛好家です(笑)。
アルバムを聴いてくれた人が、そうやってさまざまな私の影響のカケラを『ウォーリーをさがせ!』的な感じで見つけてくれて、ニヤッてしてくれると嬉しいですね。

ウェス・モンゴメリーの曲(Wes’ Tune)が入ってるのがちょっと意外でした。どういった理由で選びましたか?

これはバンドのレパートリーとして演奏していて、原曲はスウィングで演奏されているのですが、収録曲を全て並べた時にラテンの曲調があっても良いかと思って今回はラテンで演奏してみました。
後半にドラムソロもあって、アルバム後半を盛り上げる一曲です。

レコーディングにあたって、曲のアレンジや構成はどの程度決めていますか?

録音前にコード進行や曲の全体の構成(ソロ順、コーラス数)、その他、かなり細かいところまで決めて録音に臨みました。
自由なところは各メンバーのアドリブセクションくらいなものです。



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前作のリリースから12年経っているということですが、前作にはなかった弾き方だったり新しいアプローチなどはありますか?

うーん、基本的に目指しているサウンドの方向や憧れているものは昔と全く変わっていないので、演奏上はそれほど自覚はないのですが…。

ただ12年という時を経て、ジャズという音楽を通してさまざまな経験をして、音楽的にも人間的にも少しは成長していると思うんです(思いたい…笑)。
それが滲み出ていると良いなぁと…。いや、滲み出てちゃっていると思います(笑)。

あと、のちほど改めて触れますが、機材に関しては随分変化しています。
ギターもアンプもピックも前作の時とは全部違います。

前作ではデビュー作ということもあって、師匠でもある岡安さんが準備の段階から作曲やアレンジのかなり細かいところまで手取り足取りじっくり一緒に考えていただいきました。

今作は準備の時点では、細かい音楽的なところは、ほとんど自分で考えて準備していったというところは前作との大きく違う点かもしれません。
とはいえ、メンバーにも沢山助けてもらいましたし、プロデュースを担当してくれたT5Jazz Records代表の清水さんの存在はとても大きくて、選曲やアルバムのコンセプトについては沢山のアイディアをいただき、実際のレコーディング現場や制作過程でのディレクションは本当に的確でスムーズにやっていただき、より良い作品にまとまるように導いていただきました。

大学の講師としての経験

4年前から国立音楽大学のジャズ専修で講師を始めました。

私が40歳の時です。当然、学生たちの年齢は20歳前後なんですよ。
20才も違うんだっていう…。愕然としてしまいます(笑)。

これまでは自分が一番年下でそれで大先輩がいて、みたいなシチュエーションが多かったので…。

そういう若い世代の人たちとの交流もとても大きな刺激を受けています。

講師をやってみると、自分が教わってきた先生たち道下さん(※)や岡安さんがいかに偉大かがわかります。もちろん教わっていた当時から思ってはいたけど、それをもっともっと実感していく感じです。
自分がそれをわかるようになった、って言ったらちょっとおこがましいですけど、そういう感覚はあります。嬉しいことですね。
※ジャズギタリスト・道下和彦氏



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今回使用した機材について教えてください。

ギターはGibsonのSuper400で1968年製(サンバースト)ですね。
2017年に師匠の岡安さんから受け継いだ大切なギターです。

ナチュラルのSuper400も持っていますが、今はもうサンバーストの方がメインです。

サウンド的にはけっこう違います。こっち(サンバースト)の方が取り回しがいいというか、音が埋もれないんですよ。
強いというか、そういう印象はあります。
逆にナチュラルはより木の音がするっていうか。
ソロギターとかベースとデュオの時とかは合うかな、という印象です。

こっち(サンバースト)は簡単に言うと「エレキギター仕様」。
なので、オルガンバンドとか音量が大きいバンドなんかでこれを弾いても割と音が埋もれないというか。

それと、違いとしてはネックが随分違いますね。
このギター(サンバースト)はめちゃくちゃ細くて、ナローネック仕様です。ナット幅とネックのシェイプが薄い感じなんです。

ナチュラルの方はちょっと太めです。ナット幅はナローではなくて普通ですね。
人によっては、ネックが太い方がいい音するって言うじゃないですか。
実際そうかもしれないんですけど、僕の場合はごっついコード(複雑なボイシングのコード)をよく押さえるので、ネックが細い方が楽なんです。
これに慣れちゃうと他のギターが弾けないんですが…。

このギターだとフッとこう収まる感じがして、使いやすい。
扱いやすいんですよ。


Super400(佐津間さんの公式サイトより)


ナチュラルのSuper400(佐津間さんの公式サイトより)

アンプ、その他

アンプはALBITのA-1 Dreamです。
https://junsatsuma.com/photo/nggallery/album/amp-a1dream-by-albit

ALBIT(アルビット)は埼玉県草加市にある老舗アンプ工房です。もともとはそこで自分のアンプの修理をお願いしてたんです。
ある時、アンプの修理で工房を訪ねたとき、自社で製作したこのアンプを弾かせていただいて、とてもよかったので使うことにしました。


他にはこの機材(※下に画像を掲載)ですね。
浜松に工房のあるNATS(New Analog Technology Sound)という会社のアナログリバーブです。
いわゆるエフェクターなんですけど、この中に真空管とスプリングが入っています。これはまだ製品化されてなくて、プロトタイプなんです。トランジスタとかデジタルのアンプにこれを通せば真空管アンプのような良いムードになるという機材です。

ライブとかでもよく使ってますね。これだけ持って行って、お店のアンプを使わせてもらうこともあります。

本来の趣旨とは違うかもしれませんが、自分の場合はリバーブ機能を使うというよりも、リバーブは薄めに設定して繋ぐことによってどんなアンプでも真空管らしい温かいサウンドになってくれるので重宝してます。

ALBITのアンプで十分なんですけど、これを通すと音にさらに押し上げられて強くなる感じなんです。
その効果を狙ってアルバム全曲を通して使用しました。


ALBIT / A-1 Dream(佐津間さんの公式サイトより)


インタビュー時に見せていただいたエフェクター



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音作りの面で心がけてることは何ですか?

自分がちゃんと聞こえるってことですかね。
単純に聴覚的に、ギターの音色が。

ドラムとかベースとかピアノとか、他の楽器が入ると自分の音がうまく聞こえない時があるんですが、それだと苦しいのでちゃんと聞こえる音にします。
たぶん普段一人でギター弾いてる時よりも「硬い」音質にしないと聞こえない思うんですよ。

あとは、これも本当に自分に言い聞かせてるんですけど、「できるだけソフトに弾く」っていうか。

力(りき)んでもいいことないんですよ。
できるだけ力まずに、かと言って、ソフトすぎると熱がない感じになっちゃったりしますけどね。その匙加減が難しいです。

弾きながらどのくらい自分のフレーズを意識していますか

フレーズとしては、自分できちんとわかってるものをポンポンポンって置いているっていう感じですね。

ジャズでよく言われることで、「チャレンジ」とか「その場で生み出す」とかあるじゃないですか。
それもまぁその意図は間違ってないと思いますけど。

あまり考えずに弾いちゃうと、自分で何をやってるのかわからないのに弾いているっていう状態になるかな、と。
例えばラーメン屋さんに行って、「このラーメン、実は何の材料使ってるかわかんないですけどね」とか言って出されたら嫌じゃないですか。
そういう感じかな。

だから、わかってることを弾く。
自分で常に把握してるってことですよね。できることを丁寧に。

ギターの音質とは別に、アルバム全体としての音のカラーというかニュアンスや雰囲気などは意識されましたか?

いや、特にはないですね。
今回、エンジニアの方が僕がやろうとしてる意図をうまく汲み取ってくださって、おまかせしてたらとても良いサウンドにまとめてくださった感じです。

あとはもうギターもいいしアンプもいいし。機材すべてがいいんで普通に弾けばいい音が出るはずなんです(笑)。
いい音じゃなかったら自分のせいなわけなんですけど…。
素直に、楽器に委ねてなるべくいつも通りに演奏しました。

話はそれますが、改めて機材ってすごいなって思いますよ。

機材を作る人…。

自分が「アンプを作ってください」って言われても作れないですからね。完全にあれって理系の世界で。

そういう職人さんって、僕が「ジャズギターのこんな感じの音で」って言ったらコンデンサーをブツブツ選んだりして、いい感じにしてくれるんですよね。
真空管だとどれがいいかって、ちょこちょこ、ブツブツ…みたいな。
そういうことに支えられての自分があるということを実感します。

それと、このギブソンのSuper400のおかげで。
このギターは岡安さんに譲っていただいたものなんですけど。
これを弾くことができるって最高に幸せです。

ありがとうございます。

レコーディングはどのくらいの期間で行いましたか? レコーディング中に印象的だった出来事はありましたか?

レコーディング中に印象的だったこと…。
あったかな?

もう無我夢中でした…。

レコーディングは1日で全て録音しました。

今回はあらかじめ1日で録るっていうことが決まっていたので、あらかじめバンドで入念にリハーサルして臨みました。
先ほども少し触れたのですが、スタジオに入ったらみんなが何をやるか、何コーラスやるかっていうのは大体決まっていて、すべて雛形がある状態です。
それでスタジオで実際やってみて、やっぱり構成が長いとかそういうジャッジが下った場合には、そこで少しの変更はあったりしましたが、基本は予め決まっていることを淡々と遂行していった感じです。

アドリブの内容は演奏によって毎回違うんですが、アドリブも大事な要素ですけど、やっぱりテーマの構成だったり、アレンジで曲がカチッと仕上がっていれば、ある程度は良いものができるっていう。
そういう状態にしてレコーディングに臨みました。

もちろんその中でアドリブのいいものを選ぶっていうのは大事だし、アドリブを良いものにするっていうのは大事なことなんですけど。あくまで全体の1つの要素であるっていう感じですね。

なのでどちらかと言うと、誰がソロを最初にやって、ピアノのソロが最初聞こえてくる、それで最後はテナーが盛り上げるとか。セカンドリフがあるとか。そういう曲全体の構成を重要視していますね。

テーマの弾き方とかも。
例えば、ここはユニゾンしてハモってとか、ギターだけにしようとか、そういう決まってることを整理して良いものにしていくっていうところにすごく興味があるというか、そういうところがやっぱり重要だなって思っています。

リハーサルはどのくらいやりましたか?

リハーサルはけっこうやりましたね。
とにかくメンバーにはいっぱい付き合ってもらいました。
感謝です。

例えば、ピアノのボイシングひとつにしても、イントロひとつにしても、まず私のイメージを具体的に伝えて、そこは ♭5を弾かないでくださいとか、あ、やっぱり ♭5にしてくださいとか。
ピアノの富永さんが一番大変だったかもしれないです。

1日でレコーディングは大変でしたが、その緊張感が良かったかなと。
それぞれ2テイクくらいしか録ってないんです。

どちらを選ぶかも、もう即断で。
今のか、さっきのかっていう。


リハーサル風景(佐津間さんの公式サイトより)



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今回のアルバムの制作にあたって、インスピレーションを受けたアーティストや作品はありますか?

ケニー・バレル全般と、あとはハードバップ全般です。

「Treasure」が佐津間さんらしいキャッチーな曲で印象的だったのですが、いつ頃できた曲なんですか?

2018〜19年くらいで、コロナ禍の前ですね。

曲ができてから、次のアルバムは絶対「Treasure」というタイトルにしよう!とイメージもしてました。

で「Treasures」と複数形になりました。
曲名は「Treasure」で、アルバムは「Treasures」。

ソロで演奏しているギターの曲も印象的でしたが、選曲の経緯など教えてください。

あれは、僕は知らなかったんですが、プロデューサーの清水さんが大好きな曲(※)だったんです。
※Painted From Memory / Burt Bacharach and Elvis Costello

この曲に決まる前は、いつもYouTubeとかでやってるようなジャズのスタンダードをソロギターで弾けばいいかなって思っていたら、清水さんが「ポップスをカバーしてみたらどうでしょう?」って提案してくれて。
「この曲が好きなんですよ」っていう話をしてくださって「じゃあ、清水さんが好きな曲だったらやってみようかな」って。
おかげさまで素敵な曲を知ることができました。

原曲はキーがD♭なんですけど、ソロギターで弾く場合、メロディーやコードを同時に弾かなくてはいけないので、そういうことを鑑みて都合が良さそうなキーを探して、今回はCで演奏しています。
それで、あとから気付いたんですが、ビル・フリーゼルも同じ曲を私と同じキー=Cでやっていたんです。
考えることはレジェンドも同じなんだ!ってちょっと嬉しかったり…。

前作のアルバムでもソロでの演奏曲「Jump for Joy」がありましたね。デューク・エリントンの原曲とは全く違う雰囲気で意外だった記憶があります。

実は、あれはケニーさん(ケニー・バレル)がやってるんですよ。
意外と元ネタのような曲があることに気付かない方も多いじゃないですか?知ってる人はニヤッとするし、知らない人はいいなって思ってくださるといいですよね。

僕自身はケニーさんや岡安さん、そしてジャズのレジェンドの皆さんから影響を受けたものを自分のフィルターを通して弾いているわけですけど、もしジャズに馴染みのない方が私の演奏や音楽に触れて、佐津間純はケニー・バレルっていう人にすごく影響を受けているんだ、って知って、それをきっかけに「じゃあケニー・バレルを聴いてみようかな」って思っていただければとても嬉しいですね。

僕自身が岡安さんの音楽を通してケニーバレルを知り、どんどんジャズに興味を持っていったように…。

インタビューの最後に、レコ発のツアーはありますか?

はい。レコ発のライブは決まっていて、神奈川県で1つと、東京で1つあります。

「Treasures」新作アルバムリリース・レコ発ライブスケジュール

12月30日(火)
「佐津間純クインテット」
希望ヶ丘CASK(Tel.045-442-4690)
⁦https://jazzlivecask.wixsite.com/cask-kibougaoka⁩

2026年2月15日(日)
「佐津間純クインテット」
江古田そるとぴーなつ(Tel. 03-3993-3400)
⁦https://saltpeanuts.jp/



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佐津間さん、今回はインタビューに応じていただきありがとうございました。


佐津間純さん公式サイト
https://junsatsuma.com/

佐津間さんライブスケジュール
https://junsatsuma.com/live-schedule/

T5Jazz Records
https://www.t5jazz.com/



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「Treasure」 / 新作アルバム「Treasures」より



Treasures / 佐津間純

収録曲
1. Here Comes C.T. -Kenny Burrell-
2. Treasure -佐津間 純-
3. Misty -Erroll Garner-
4. Admiration -佐津間 純-
5. The Quick Response -佐津間 純-
6. I'll Be Around -Alec Wilder-
7. Quiet Blue -佐津間 純-
8. Wes' Tune -Wes Montgomery-
9. Painted From Memory -Burt Bacharach, Elvis Costello-


Jump For Joy / 佐津間純

アルバムを制作する際に佐津間が掲げたのは、自身が尊敬して止まない巨匠ケニー・バレルの『イントロデューシング・ケニー・バレル』(56年)のような、ハードバップのサウンドを基調としながら、ギターのサウンドを全面に打ち出したジャズギターアルバム。どの曲も、イントロからエンディングに至るまで、丁寧に様々な工夫が施されている。レコーディングは、6人編成で収録され、50年代の黄金時代を彷彿とさせる王道のジャズギター作品に仕上がっている。佐津間の愛用するスーパー400から紡ぎだされるホーンライクで、丁寧によく唄うシングルトーンのフレージング、ギター・トリオやソロギターで聴ける美しいコードワークなど、全編を通してジャズギターの魅力を余すところなく堪能できる。メンバーを要所要所でフィーチャーしつつ、バンド一丸となった心地良いサウンドは、ジャズギター・ファンはもちろん、その他の幅広いリスナーにもアピールできる内容になっている。


インタビュー - ジャズマンに訊く

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