ビンテージES-175の弦を交換したので作業の流れを詳しく書いてみた
管理人ブログ
ビンテージES-175の弦交換作業
ビンテージES-175(1958年製)の弦を交換したので、作業の流れを書いてみることにしました。
リアル or ウェブ問わず、ビンテージギターの弦交換作業の様子をじっくり見る機会は意外となかったりするので、「こんな記事もありかな」ということで書いてみます。
弦交換作業って人によってやり方が全然違ったりするので、参考になれば幸いです。
※『こうすれば便利なのに…』という方法などがあれば教えてください。
それでは行ってみましょう。
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作業スタート
まずは古い弦を外す
フルアコの場合すべての弦を外すとブリッジが動いてしまうため、数本ずつ交換するやり方もあるようですが、私(肉じゃぎの管理人)の場合は全部外します。
理由はいったん弦をすべて外して、ギターの掃除・メンテナンスをしたいからです。
【弦を外したときに注意すること】
・弦を外す前に、マスキングテープでブリッジを固定しておく
・テイルピースを布で保護しておく
弦を外す前に、ブリッジが動いてしまうためマスキングテープでブリッジを固定しておきます。
そして、弦を外したら、すかさずテイルピースを布か何かで保護します。
これはテイルピースの保護と同時にボディを保護するためです。
金属製のテイルピースは鈍器とほぼ同じなので、布などで保護(カバー)しないまま作業を進めると、ちょっとギターを動かした際などにテイルピースがボディに当たって大ダメージを与えてしまうことがあるわけです。
最悪の場合、ボディが割れたりする可能性があるので(想像しただけでも怖い)、テイルピースは布でしっかりとガードしておきます。
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掃除とメンテナンス
まずは指板をメンテナンスします。
軽く指板をふきとってから、オイルを塗って木に潤いを与えます。
私が使用しているオイルは『Big Bends・Fret Board Juice』です。
『レモンオイルだと逆に気が乾いてしまって悪影響だけど、このオイルはしっかりと木を潤してくれる(suhrも使っているらしい)』との噂を数年前に聞き、それ以来ずっとコレを使っています。
たしかに指板のしっとり感が持続するというか、指板の色が濃い感じで保たれます。
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ボディの掃除
指板のメンテナンスに続いて、ボディもキレイに拭きます。
ここで登場するのが『スリーエム 飲食店用高耐久ふきん』と『Doc Simons ( ドックシモンズ ) ・MIRACLE GUITAR POLISH』です。
どちらも個人的に超愛用しているメンテ・掃除用アイテム。
『Doc Simons ( ドックシモンズ ) ・MIRACLE GUITAR POLISH』は汚れがキレイに落ちるのと、拭いた後にスベスベになるのでお気に入りです。
ただし、やや香りがあるので(どギツイわけでは無い)好みが分かれるかもしれません。
(ストロベリーっぽい香りで私は気になりません)
【注】ビンテージギターの塗装はポリッシュの使用で何らかの変化・影響がある可能性があるので、事前に問題がないか確認した上でご利用ください。
このギターのビンテージ塗装には問題なく使えてます。
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で、布の方が個人的に激推しアイテムで、『スリーエム 飲食店用高耐久ふきん』です。
楽器用のクロスではなく、飲食店用のふきんです。
別の記事(オススメのアクセサリー・ギターメンテナンス関連グッズ 13選)でも書いたんですが、ギター掃除用にめちゃくちゃ使いやすいので是非試してみてください。
・汚れの落ちやすさ
・生地の適度なザラザラ感
・使い回しの良さ(気軽に使える・洗って使える)
・価格の安さ
が最高です。
ホームセンターでも売ってます。(というかホームセンターで見つけて『楽器用に良さげ』と思って買ってみたのがはじまり)
以前は楽器用のクロスをメインで使ってたんですが、価格が高いのと長く使っていると毛羽立ってきたりするのでちょっと困っていたんですが、このふきんはその辺りの弱点が克服されてます。
(ちなみに楽器用のクロスも楽器を傷めない素材で重宝するので、用途に応じて使ってます)
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一泊(いっぱく)。あえて一晩寝かす。
ひととおり掃除した後にすぐ弦を取り付けることもあるのですが、今回はギターの状態を考慮し、弦を外した状態のままギターを一晩ほど寝かします。
季節のせいか指板が乾いていたので、オイルがしっかりと染み込むのを待つためです。
ビンテージなのでギターに負担を掛けないようにじっくり作業を進めます。
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─── 翌日 ───
よく寝たES-175
さて翌日です。
上でも書いていますが、毎回弦を交換するたびに寝かしているわけではありません。
一晩置いたので指板の状態はとても良くなりました。
オイルを塗ると『出音がちょっと重くなる』というか、乾いた音ではなくしっとりとウェットな音になりますね。
このギターはかなり乾いた出音だったので、ちょうど良さそうな雰囲気。
さっそく新しい弦の取り付け作業に入ります。
弦の取り付け
弦はトマスティック(Thomastik-Infeld)の.012〜.050セット。
細すぎず、太すぎず、で好みなのと、弾きやすさと音質のバランスを考えて選んでいます。
トマスティックの弦は音がキラキラしすぎず、触り心地というか質感も良いのでメインで愛用中。
(ただし劣化してくるとめちゃくちゃ鈍い(?)というかギシギシして弾きづらくなるイメージ)
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ひたすら巻く
ひたすら弦を張って巻きます。
手で巻くのはかなりしんどいので、いつも『MUSIC NOMAD ハイエンドストリングワインダー』を使っています。オススメです。
フルアコのタイプにも寄ると思いますが、弦を張っている最中にテイルピースからポロリと弦が抜け落ちるため、テイルピースの下に布を挟み込みます。
テイルピースがボディにガツンと当たってしまうのも防げます。
弦の余分な部分はバッサリとカット。
そのまま巻いておく派のギタリストもたまに見かけますが(昔よりは減った気がする)、私は即カットします。
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作業完了
最後にブリッジを固定していたマスキングテープを外し、チューニングをして完了です。
(オクターブ調整も忘れずに)
素早くやれば30分くらいで終わる作業ですが、今回は一晩寝かせたので1時間弱+1日程度かかりました。
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MUSIC NOMAD ハイエンドストリングワインダー GRIP Winder 単品 MN221
革新的なデュアルベアリングによって安定した静かな回転と素早い巻取りを実現。
あらゆるペグにフィット、底面に、10mmの六角レンチを搭載
コンパクトなヘッドはペグ間隔の狭い12 弦ギターなどに便利。
底面のキャップが外れないように改良されました。(収納スペースがなくなりました)
傷と摩擦音を防ぐラバーコーティング、人間工学に基づいた握りやすく
スリーエム 飲食店用高耐久ふきん №2012 青 ポリエステル繊維、ナイロン繊維 JHK2602
●素材に極細繊維(マイクロファイバー)を用いた、汚れをふき取る性能が非常に高い。洗剤をつけずにきれいに汚れを落とすため、ふき取り後の水ぶきが不要で掃除の手間が半減。・糸の切れ・抜けが少なく長持ちし、繰り返し洗濯して使用できるので経済的。・皿、グラス、コップ、カトラリーのふき上げ・磨き上げにぴったり
Doc Simons ( ドックシモンズ ) / MIRACLE GUITAR POLISH
ミラクルギターポリッシュは、オーガニック素材で作られ、有害物質を含まず、安心して使用できるギターポリッシュです。 全ての塗装仕上げに対応し、ハードウェア等の金属部分にも効果があります。
Big Bends Fret Board Juice FRET BOARD CONDITIONER
エボニー、ローズなどの木材を使用したGuitar/Bassのフィンガーボード(指板)の乾燥や割れを防ぐコンディショナーです。
劣化しない無色・透明・無臭な人体に無害のホワイトミネラルオイルを主成分とし、フィンガーボードに保護膜を作り保湿効果を高めます。
また、フィンガーボードに付着した汗や手垢などの汚れを落とすクリーナーとしても最適です。
定期的な弦交換の際、クリーニング・保湿にご使用下さい。
3M スコッチ 平面紙マスキングテープ 244 15mm幅x18M 8巻入 244 15X18
■平面紙を基材としたマスキングテープは、塗装時の塗り分けやハンダマスキング、仮固定などのさまざまな用途にご使用いただけます。