ES-175を修理した話
管理人ブログ
ライブで音が出ない! ES-175修理を決意【長めの前置き】
9月末にほとんど仲間内だけで開催された小さなライブがありました。
全部で5グルーブほど演奏し、私の所属するグループはトリ。
使用した機材はビンテージのES-175とDV MARKのJAZZ12。
ひさしぶりのライブだったので緊張しつつも、出番がまわってきてセッティングへ。
軽くギターの音出しをしてアンプの音量を調整している時に違和感に気付きました。
『あれ…? ちゃんと音が出ない…』
ボリュームポットの接点不良で、ボリュームをフルにしても3〜4割程度の音量しか出ない現象が。
以前からボリュームノブの回転が重く『ブツブツ』と音が途切れることがあったのですが、ノブを少し回転させると復活するので特に問題視せずに使っていました。
しかし、ライブで自分たちの出番がまわってきて、まさかの接点不良。
結局、アンプのボリュームをいつもの倍近くに上げることで乗り切りました。
ギターのボリューム出力がカットされたせいか、ギターの音質もいつもと違って硬く曇ったサウンド…。
『こりゃーまずい!』
ということでES-175のリペアを決意したのでした。
リペアを依頼した箇所
今回リペアを依頼したのは以下の箇所です。
1:まずはボリュームポット接点不良の解消。
2:トーンも見てもらって、要リペアならばこちらもリペア。
3:そして前置きにはないところですが、ブリッジの交換。
購入時からオリジナルのブリッジ(ハカランダ製)が付いていたのですが、
・経年変化で木が変化したためピッチ(音程)が甘い
・弦を乗せる溝が劣化してプレイアビリティもイマイチ良くない
という問題を抱えていたため、いつか代替のブリッジを作って交換しようと考えていたのでした。
購入後すぐにフレットの打ち替えとナットの交換、そしてペグの交換をしていたのですが…、ビンテージギターは手が掛かりますね。
ES-175、リペアへ旅立つ
今回リペアを依頼したのは渋谷ウォーキンさん。
ビンテージも含めたフルアコの扱いに慣れているお店といえばウォーキンさんしかない、と思いお願いしました。
(以前、東京に住んでいたときにはよくギターを見に行ったりしていたのですが、今では縁遠くなってしまいました…)
TELで相談して、すぐにギターを発送。
送料は保険加入も含めておよそ3,000円くらい。
お店でギターを見てもらい、
・ボリュームポットの洗浄
・代替ブリッジの製作と取り替え
を行うことになりました。
※1:トーンポットは問題ないだろう、との判断でボリュームのみ
※2:ボリュームポットの交換も覚悟していたが、洗浄で大丈夫だろう、とのことで内部の洗浄へ
リペア期間およそ一ヶ月。
リペア中にはお店の担当者さんと多くのやりとりをして、慎重かつ丁寧に作業を進めていただきました。
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帰ってきたES-175
さて、リペアを終えたギターが帰ってきました。
どんな様子に仕上がっているのかドキドキします。
以下、開封の様子を含めてご紹介します。
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まずはボリューム
ボリュームポットの修理に関しては写真を見てもよくわかりませんね…。
回転が重かったのが解消され、きちんと音量が出るようになっていました。
これで一安心。
ライブやセッションで心配なく演奏できそうです。
それにしても洗浄ってどうやるんだろうか?
代替ブリッジ
代替ブリッジはマダカスカルローズ製。
製作の際に材料となる材の選択を行ったのですが、木によって色が薄かったり濃かったりと個体差があるため『オリジナルのブリッジの色味に近いカラーの材』でお願いしました。
『新品に取り替えましたッッ!!』
という見た目よりは、なるべく違和感なく馴染む方が良いと考えたためです。
結果、違和感なく全体に馴染む雰囲気のブリッジに…。
素敵やん?
普段使用する弦に合わせたオクターブ調整などピッチやプレイアビリティーの面、そして今後の使用も踏まえた調整の幅を考慮しての製作〜調整をしてもらい、予想以上に素晴らしいブリッジに仕上がっていました。
ビンテージだけどプレイアビリティーが損なわれていない、というのが理想だったのでもう大満足です。
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というわけで、ES-175のリペアレポートでした。
今回のリペアでかなりストレスなく弾けるようになったので、楽しいジャズライフが過ごせそうです。